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所長・代表

“経験”と“実践”を生かしたサポートで経営者の悩みに寄り添う。未来会計で理想の組織づくりと経営の実現へ——税理士法人サンコウ 村田 幸雄

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目次

大阪府大阪市で、創業70年以上の老舗の税理士事務所の事業を引き継いで誕生した、税理士法人サンコウ。代表の村田氏は、公認会計士として大企業の監査業務を経験したのち、同事務所に所属し、代表に就任しました。現在は、経営支援を通じてお客様の未来を創る「未来会計プランナー」として活躍しています。経営者としての組織マネジメントの葛藤や理念、中小企業の経営者に寄り添う「将軍の日」や「軍議の日」など未来会計の取り組みについて、ご自身の原体験を交えながら、悩める経営者への熱いメッセージを伝えます。


税理士法人サンコウ
代表
村田 幸雄
大阪市立大学法学部を卒業。公認会計士試験合格後、現監査法人トーマツに入所。上場企業等の法定監査、上場準備に従事。退職後、前身である三吉会計事務所に入所後、税理士法人サンコウの代表を務める。代表就任後は、職員の人材育成と関与先の業績向上に力を注ぐ。会計税務の専門家×経営パートナーのハイブリッドサービスを掲げ、会計税務の品質向上、マネジメント・アドバイザリーサービス(MAS)、創業支援に注力している。

監査法人から税理士業界へ。中小企業支援の道を踏み出したきっかけ

Q.これまでのキャリアを教えてください。

「公務員でも民間でもいけるだろう」という気持ちで、大学は法学部を選びました。法学部に入ったからにはと司法試験の勉強もしてみましたが、正直、勉強にあまりついていけず、「自分には交渉事は向いていないのではないか」と悶々とする日々を過ごしていました。

就職活動のタイミングで公認会計士について知り、「経営に近いところでマネジメントを学べるのではないか」と、ビビッときたことが、公認会計士の勉強を始めたきっかけでした。大学卒業後は約3年半、公認会計士試験の勉強に打ち込みました。合格後に監査法人トーマツへ入社し、約7年半にわたり大企業の監査業務に携わりました。


Q.その後、税理士の道へ進まれたきっかけは何だったのでしょうか?

先代の三吉先生との出会いが、大きなきっかけでした。監査の仕事は大企業が中心で、若手は経営者の方とお話をする機会がなく、書類のチェックに明け暮れる日々でした。もともと「企業を元気にしたい」「経営者の近くでいろいろな仕事に挑戦したい」と思っていたこともあり、「このままでいいのだろうか」と違和感を覚えるようになりました。

その後、監査法人を退職した後、ある会社の監査現場で先代の三吉先生と出会いました。「後継者として、一緒に税理士法人をつくらないか」と声をかけていただいたことが、大きな転機になりました。そうして私は、税理士業界へと踏み出しました。

Q.先代の三吉先生や、当時の事務所の印象はいかがでしたか?

三吉先生は地元の名士のような方で、人間的に非常に魅力的でした。いつもニコニコしていて、誰もが一目会えば好きになるようなカリスマ性がありました。「世の中は人と人や」ということを体現されているような方で、自分の人柄でお客様との関係を築いていくスタイルが印象的でしたね。

一方で、当時の事務所は決算や申告書作成などの実務が中心で、組織的なマネジメントの仕組みはまだ十分には整っていませんでした。事務所は12人ほどの規模でしたが、三吉先生は現場に携わらず、担当者が自分の裁量で全てをやっている状態でした。そのため、誰がどのような仕事をしているのかが周知できておらず、お客様から問い合わせがあっても、担当者以外は分からない状況でした。コンピューターも導入していましたが、十分には活用できていなかったと思います。

組織づくりの葛藤から生まれた「サンコウフィロソフィー」

Q.代表に就任されてから、組織づくりでどのような苦労がありましたか?

いちばん大きな悩みは「組織をどうまとめるか」でした。税理士法人サンコウの前身の三吉会計事務所に入ってからの約10年は、私自身も一担当者として現場に立っていました。そんな中で「そろそろ事務所を変えていく必要があるのではないか」と考え始めた頃、職員の1人が税理士試験に合格し、税理士法人化して新体制へと移行しました。

当時の私は事務所の中で一番の新参者だったこともあり、抵抗されるのが目に見えていたので、周りに気を遣いながら手探りで進めていました。自分で組織をマネジメントするのは初めての経験でしたし、血縁関係もない中でどうやって事務所をまとめていくかは、ずっと正解が見えない感覚がありました。そんな中で、仕組みを整える前にまず「この組織は何を大切にするのか」をはっきりさせなければいけないと感じました。そこで着手したのが、理念づくりです。

Q.社名や理念に込められた想いをお聞かせください。

社名の「サンコウ」は、三吉先生の時代にあった「三交会」に由来しています。顧問先とのゴルフや旅行を通じての交流会です。

事務所を引き継ぐ際に先代を立てつつ、別の新しい意味を込めました。「サン(三)」は事務所と社員、お客様の三者を指します。「コウ」には、交わる(繋がりや絆)、幸せ、そしてみんなが輝く意味の「光」、この3つの意味を持たせて、あえてカタカナの「サンコウ」としました。

理念は、「自分がどんな言葉が好きなのか」を探すところから始まり、最終的には「自分は一体何のために生まれてきて、何をしたいのか」と、根本的な問いに向き合いました。これが非常につらい作業で、自分の腹の中に手を入れて、ぐるぐる探すような感覚でしたね。肚落ちする言葉を見つけるまでは随分かかりました。

そのプロセスを経て、「同じ志と理念をもつ仲間と、私たちに共感してくださるお客様とで、共に学び共に成長し、愛のある豊かな世界をつくることに貢献する」という経営目的にたどり着きました。ゴールは「社員もお客様も物心両面の幸せと豊かさを目指すこと」で、キーコンセプトは「成長・貢献・共感」としています。企業の経営目的としては異質だと思います。経営目的が「個のしあわせ」ですから。それは、人をしあわせにするのが経営者の仕事だという、私の事業観からきています。

Q.理念の浸透に向け、どのような取り組みをされていますか?

朝礼で理念を共有し、社員からコメントをもらうようにしています。

私は、経営者には「情熱・覚悟・哲学」が必要不可欠だと考えており、それを体現した「サンコウフィロソフィー」と「サンコウウェイ」と呼ばれる冊子を作成しました。「情熱・覚悟・哲学」はリーダーシップに欠かせない要素だと考えています。ここに記されている内容は表面的なきれいごとではなく、私自身の人生観や事業観から出た、嘘偽りのない本気の言葉です。

両者とも、よりよく生きる姿勢や感じ方、仕事に対する姿勢や考え方、「お客様に対してどう在るべきか」などをまとめています。「サンコウフィロソフィー」は大まかな理念、方針をまとめたものですが、他方「サンコウウェイ」は日常業務で向き合う場面を想定して、そのときの価値基準、行動基準などをまとめています。ここまでするのは、理念を浸透させるには、その「粒度(解像度)」が大事だと考えているからです。よりリアリティのあるメッセージに仕上げる必要があると考えているからです。

昔なら飲みに行って教えられていたようなことも、現代では仕組み化する必要があります。そこで「サンコウウェイ」の項目を毎朝の朝礼で1つずつ読み、各人がどう考えるかをコメントしてもらっています。

しかし、最初からうまくいったわけではなく、仕組みだけが先に立って、私が話をしてもなかなか響かない時期もありました。それでも繰り返し続けるうちに、少しずつ理解が広がっていったように感じます。今では既存のメンバーだけでなく、理念に共感して入ってくれる新しい仲間も増え、組織の質も徐々に変わってきていると感じています。

経営者と同じ目線で伴走する、サンコウの未来会計

Q.ご自身も経営者という立場ですが、中小企業の経営者はどのような悩みを抱えていると感じますか?

今、中小企業の経営者が最も抱えているのは「人」の問題だと思います。

採用はもちろんですが、特に難しいのは育成です。教育に関しても「見て学べ」で育ってきた世代の方からは、「どうやって仕組みとして教え、組織を作ったらよいかが分からない」などの声を多く耳にします。ベテランの高齢化が進む一方で、経験のある人材はなかなか入ってこない。だからといって未経験者を採用しても、すぐに戦力化できるわけではない。そのあたりにジレンマを抱えている経営者の方は多いですね。

さらに、事業承継の場面でも悩みは深いと感じます。経験と勘と度胸で経営してきた親世代の成功体験が通用しなくなっていて、それを引き継ぐ子ども世代が自信を持てないケースも非常に多いです。

私が税理士として関わる中で歯がゆいのは、これまでの成功体験や思い込みが壁になってしまうことです。社長ご本人も頭では課題を理解しているのに、気持ちや体が動かない場面は少なくありません。

私自身、組織づくりで悩み、打たれながら経営をしてきた経験があります。だからこそ、経営者の方が抱えているモヤモヤした気持ちは、痛いほどよく分かります。そうした経験もあるからこそ、経営者のマインドやリーダーシップを変えるアプローチが、何より大事だと感じています。

Q.そのような経営者を、未来会計でサポートしているのですね。

はい。お客様には「まずは、一歩でいいから始めましょう」とお伝えしています。

よりよい経営を実現するためには、「何のために仕事をするのか」「どこへ向かうのか」と、経営者が自分自身に問いを立てることが重要です。そこでサンコウでは、30人未満の中小企業経営者向けの初級講座「経営塾」も用意しています。こちらが何かを一方的に教える場というより、経営者の方ご自身に気づきを得ていただくための、活用の場です。

その上で、MAPさんの中期経営計画作成セミナー「将軍の日」にお越しいただき、現状分析と5年後の数値計画を作ります。「将軍の日」では、午前中に組織力や商品力などの観点から自社の立ち位置を整理し、午後は「5年後にどうなっていたいか」をもとに、具体的な数字へ落とし込んでいきます。経営者1人で考えると、どうしても売上ばかりに目がいってしまいますが、設備投資や人材獲得、それに伴う経費の増加なども含め、全体を俯瞰しながら計画を立てられるのが、このセミナーの大きな魅力です。

Q.経営計画を立てるプロセスで、村田さんが特に意識されていることは何でしょう?

気づきにつながる問いを投げかけることです。現状が比較的順調な経営者ほど、将来の課題をはっきり認識できていないことがあります。そこで、「10年後、お客様や社員は何歳になっていますか?」「後継者はいらっしゃいますか?」などと問いかけ、「今は恵まれていても安心していられないね」と、経営者自身に気づいていただくよう意識しています。

まずは、中期計画を立て、「未来のなりたい姿」を明確にしていただき、現状とのギャップを感じていただき、何をしていく必要があるのかを自問自答していただきます。次にそれを単年度計画、すなわち実行計画に落とし込んでいただきます。さらに、計画を立てて終わりにしないために、「達成管理会議」を毎月行います。

「計画」という言葉は、天気予報や小学生の頃に作らされた夏休みの計画を連想されがちです。そのとおり行くわけがないから意味がない、と捉えられがちです。実は、「計画」とは「未来像」、「なりたい姿」のことです。それと、そのために「何をなすべきか」をセットで表現したものです。だから、本来の計画はワクワクしないわけがないんです。しかし、現実には、過去の延長線でつくってしまったり、あるいは理想を追うばかりで非現実的なものになっていたりするので、成果が出ないことも多いのです。塩梅が難しいんです。だから、「計画」にネガティブになってしまう。しかし、何を未来像にするかでやるべきことが変わってきます。高校野球を例にとると、甲子園で優勝を目指すのか、甲子園出場を目指すのか、地方大会で1勝を目指すのかで、やるべき練習メニューや意識が異なります。

それに、人は弱いもので、やると決めたことをやる、やめると決めたことをやらない、これが難しい。放っておくと、「重要だけれど緊急ではないこと」ほど後回しになりがちです。だからこそ行動を後押しする仕組みとして、私たちも継続的に伴走しています。アスリートにコーチが必要なように、筋トレジムにパーソナルトレーナーが必要なように、やると決めたことをやってもらう、そして脱落しないようにサポートするのが私たちの役割です。二つ目の意味は、経営計画は社員に対するメッセージだということ。マネジメントとは人の力を借りて結集して目標を達成すること。経営計画は、これから向かっていく方向性、何のためにそれをするのかという意義、達成した時の成功イメージ、を明確に掲げて、チームをまとめるツールだということを理解してほしい。経営計画は数字の羅列としかとらえられていないのは残念です。

三つ目の意味は、経営計画をたて、行動計画に落とし込み、達成管理をしていくプロセスは、社長にとっては、「気づき」と「問い」そのものだということ。これが、経営のエンジンになるんです。社長の「気づき」と「問い」がない会社は成長がないし、未来もない。この「気づき」と「問い」は、社長のこれからの経営にとっての「財産」です。この「財産」が、わたしどもの経営計画の一連のサービスで手に入ります。

成果が溢れるその日まで、やり続けることが大切

Q.「計画を立ててもうまくいくか不安」と思っている経営者に、どのような言葉をかけますか?

私はいつも「失敗してもうまくいかなくても、やり続けること、決して諦めないことが大事です」とお伝えしています。

この話をするとき、よくコーヒーカップに例えてお話ししています。カップを真横から見ていると、上からコーヒーを注いでも、すぐには溢れてきません。すると、「果たして本当に入っているのかな」と不安になります。そこで注ぐのをやめてしまったら、絶対に溢れることはありません。しかし、注ぎ続けていれば、いつかは必ず溢れてきます。

「成果」も全く同じで、すぐには見えない時期があります。だからこそ、そこでやめるかやめないかで、最終的に成果が出るかどうかが決まるのだと思います。これは経営者に対してだけでなく、「日々頑張っているのになかなか評価につながる成果が出ない」と悩む、当事務所の社員たちにも同じように伝えています。今は手応えがないと思っても挫折せずに繰り返しやり続けることは、何よりも大事ですね。

Q.最後に、中小企業の経営者に向けてメッセージをお願いします。

孤独を感じやすく、気軽に相談できる相手が少ない中小企業の経営者にとって、とても身近な相談相手になれるのは我々のような会計事務所です。

特に当事務所は、私自身が同じような悩みを持ちながら、過去も現在も経営に向き合ってきました。だからこそ、表面的なサービスではなく、経営者に本気で寄り添える事務所だと自負しています。先代の頃からお客様との関係性が非常にウェットで、仕事の悩みはもちろん、プライベートやご家族のことまで相談していただける関係性があるのも、当事務所の強みです。

中小企業が経営計画を作る大きな意味の一つは、経営者自身に「軸」ができることです。軸ができればブレなくなりますし、たとえ落ち込んでも立ち直りやすくなります。ただ一方で、「やるぞ」と決めて行動し続けるのは、決して簡単なことではありません。そんなときに、信頼できる人が伴走し、悩みについて一緒に考えてくれることは、非常に心強いと思います。

日々の経営のなかで「新しい未来を切り開いていきたい」と考えている経営者の方には、ぜひ我々と一緒に、社員の力を活かすための計画を作ることから始めるのがおすすめです。「思考は現実化する」といわれます。社長の頭の中の塊の「経営計画書」は「未来を引き寄せる魔法の書」です。当事務所は、経営者の方が自身の思いや未来を社員に語れるよう、全力でサポートさせていただきます。

顧問先のお客様ではなくても、これらのサポートをセカンドオピニオンとして提供しています。顧問先のお客様も、そうでないお客様も、ぜひ、当事務所と共に学び、成長しながら、自社のよりよい未来を実現させましょう。


インタビュー動画を公開しています。QRコードもしくはURLから是非ご覧ください。代表の村田先生の熱い思いと雰囲気をお分かりいただけるかと思います。

https://youtu.be/ZEMTqjx0Y4k?si=QHFdngL-EVFrB9jy 


プロフィール画像
インタビューをした人
渡邉 駿介