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若手担当者

お客様とともに悩みながら、組織力向上を支援する―税理士法人Y.K.C. 西澤 旭

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目次

大阪府大阪市の税理士法人Y.K.C.は、創業50周年を迎える歴史と実績ある税理士事務所です。未経験から業界に飛び込んだ西澤旭氏は持ち前の積極性を生かし、中小企業の未来を明るくするために常に行動し続けながら、お客様に寄り添ったサービスを提供しています。自身の想いを形にしたい、従業員に届けたいと悩む多くの経営者に届けたい記事です。

税理士法人Y.K.C.
西澤 旭
福祉業界、美容医療業界での経験を経て、2022年8月に税理士法人Y.K.C.に入社。会計業界未経験ながらも、中小企業の経理業務のクラウド化やDX推進、営業活動など、幅広い業務に従事する。”好奇心”を糧に未来会計プランナーとしても実績を上げており、小さな悩みも相談できる存在を目指し邁進中。

漠然としたイメージを持ちながら、未経験で会計業界へ

Q.これまでのご経歴や、会計業界に入ったきっかけを教えてください。

福祉業界と美容医療業界を経て、3年前に税理士法人Y.K.C.に入社いたしました。経理や会計事務所での業務経験はまったくない状態でした。しかし、「数字を見る」ということに抵抗感がなく、「今後長く関わっていける業種だ」とも考え、一度飛び込んでみようと思いました。

現在は未来会計に加え、経理のクラウド推進や新規の営業活動など、さまざまな業務に携わらせていただいています。

Q.前職とは全く異なる業界ですが、会計事務所での仕事はイメージできていましたか?

今思うと、当時は「税金を計算するんだろうな」「数字を取り扱うんだろうな」という、とても薄いイメージしか持っていませんでした。しかし、経営者の親戚や知り合いから「税理士」という名前を聞く機会があり、意外と身近な存在にも感じていた部分もあります。そのため、「自分にも目指せるのであれば、経営者の方の役に立てるような仕事ができたら」とは思っていました。

Q.実際に会計業界で働かれてみて、3年間で感じた仕事の面白みやギャップをお聞かせください。

入社する前は、レシートを手で打つなどの細かい作業が多いイメージでしたが、もっといろいろな業務に携われるのはギャップですし、やりがいだと思います。

私が入社後に配属されたのは、クラウド推進部隊でした。従来の経理部門では、手で伝票を書いたり、Excelを使って細かい作業をしたりするのが一般的な方法でした。しかしクラウド推進部隊では、バックオフィスの業務改善に向けたクラウド会計ソフト等の導入を行います。クラウド経理ソフトの活用で日々の作業を圧縮し、効率化してプラスアルファの業務ができるよう、サポートをさせていただいています。

こうした部門に配属になったことで、数字だけではなく、バックオフィスなど全体を見ないといけないという責任や面白みを感じました。その後、未来会計にも携わらせていただくようになってからは、「過去の数字」というイメージが強かった会計業務で、「将来の話がこんなにお客様と一緒にできるんだ」と、新たな魅力も実感しています。



Q.入社から3年という短い時間のなかで未来会計や営業活動など、幅広い業務を担っていると思いますが、新しいことに挑戦する原動力を教えていただけますか?

好奇心は私の大きな原動力だと思います。実際、会計業界も「未経験」であることへの不安よりも、好奇心や今後に向けた強い気持ちで飛び込みました。また、もともと会計業務に対するイメージが薄かったので、固定的な業務から外れるような領域にも抵抗なくどんどんチャレンジできているのではないでしょうか。

ただ、新しいことにチャレンジして幅が広がれば、そのぶん一つひとつが浅くなってしまいやすいので、それぞれの専門性を深めるというのは課題の1つです。幸い、弊社には経験豊富なスタッフも多く在籍しているので、皆さんに助けていただきながらいろいろな業務ができていると思います。

経営者の意見を引き出すための、“伝え方”の工夫

Q.御社が提供する未来会計のサービス内容の紹介をお願いします。

これから先5年間の計画や目標の聞き取りをして、MAP経営さんのシステムを使いながら数字に落とし込んでいきます。それを経営者の方に確認していただき、目標や計画の修正を行うのが基本の流れです。

その後は毎月立てた目標に対して、「結果がどうだったか」「来月はどうしていくか」という振り返りや新たな行動の目標についてお話をしながら、一緒に決めさせていただきます。

Q.これまでの会計業務とつながっている部分はあるものの、求められる能力は変わってきそうですね。

そうですね。いままでの業務では、既に出ている「過去の数字」を報告していて、そのなかで「こういうことがしたい」という話があっても、こちらとして案内できないもどかしさがありました。

未来会計でも、過去の数字がいちばん大切だという認識は変わりませんが、経営者の方の希望に対して、目で見てわかるものを提示できるのは、未来会計の非常によいところだと思います。

Q.未来会計プランナーとしての活動のなかで大変だったことをお聞かせください。

お客様に現状を分かりやすく伝えることです。我々は会計の専門家として日々数字を見ていますが、経営者の方は試算表なども見る機会がなかなかありません。そういう方に対して、「今の数字がどうです」「このままだとこうなります」とお伝えするのが難しいので、お客様の理解を深めることは、日々大変だなと感じます。

計画を作る作業はこちらでやろうと思えばできてしまいますが、そうなるとお客様の思いはなかなか反映されません。経営者の方が何を思っているのかを聞き出して計画に反映するためにも、わかりやすく伝えて理解していただくことは大きな課題ですね。

Q.よりよい未来会計の実現に向けて、具体的に工夫されていることはありますか?

同じ資料でも、お客様や月によって「どこを見てもらう」「どのように伝える」という工夫をしています。また、お話するなかで経営者の方から出た未来に関する言葉を書き留めておき、数か月後に「これは、いつ、どう動かれるのでしょう?」と、ご自身のビジョンを思い出していただくための質問を投げかけるようにするのも工夫の1つです。

こちらから発案するのではなく、ご自身の思いを振り返っていただくことでいまの数字にも興味を持ってもらうのは大切なことです。ただ、なかなか体力が必要ですし、難しいとも感じています。

幹部層を対象とした、忘れられない支援事例

Q.印象に残ったエピソードをお聞きしてもよろしいでしょうか?

「社長の思いを現場に伝えるサポートをする」という形でサービスをご提供した会社のお話です。その会社では、幹部の方に予算と実際のところの説明をしていく必要がありました。「会社の成り立ち」という土台からの説明だったので、お客様にとってその時間はあまり楽しくなかっただろうなと思います。

実際、サポートを始めたばかりの頃は、担当者の方の表情が暗いことが多くありました。目標を立てて、振り返りも一緒にさせていただいていたのですが、努力に対して結果が追いついておらず、なかなか笑顔が見られない時期が続きました。

しかし、1年経ったくらいで徐々に結果が出てきました。お客様が数字に見慣れてきてご理解いただけるようになり、うれしそうな顔を見られたときはホッとしました。「先月、自分がやったことがここに反映されているんですね」「ここ、頑張ったんです!」というお話を笑顔でしていただけるようになった瞬間は、強く印象に残っています。

Q.毎月のように関わっていくなかで、客観的に見てお客様からどのような立場として見られていると感じますか?

業界の中ではまだ「若手」と呼ばれる立ち位置で、経験などはやはりベテランの職員よりも浅いので、お客様がご不安に思われることもあるだろうなとは思っています。ですから、そこをカバーできるように、「相談しやすい存在」であることを心がけています。

たとえば、専門用語をできるだけ使わずにお話をすることもそうですし、「何でも気軽に聞いてくださいね」とお声がけするスタンスを崩さないのも、重視することの1つです。割と小さなことでも相談してもらえるような状況は作れていると自負していますので、「相談しやすい人」だと思っていただけていれば嬉しいです。

Q.専門性という点ではやはりお客様から頼られる部分もあるでしょうが、お客様の期待に応えるために努力していることを教えてください。

弊社は、創業50周年を迎える組織です。50年の歴史のなかで培ってきたものを他の職員にどんどん質問して、自分の知識が及ばない部分はサポートしてもらっています。

また、クラウド推進業務のスキルを活かし、「将来の経理業務がどう変わっていくかを具体的に考えてもらえるような状況を作る」ということに注力しているのも、努力している点かなと思います。クラウド推進事業と未来会計の両方に携わるなかで、「業務改善が未来のためのものになる」と、自身の業務が繋がったのはよい点だと感じています。



周囲を巻き込んだよりよい経営に向けて、未来会計の活用を!

Q.さらなる未来会計の推進に向けて、西澤さんが掲げている目標を教えてください。

未来会計は本当に面白いですし、取り入れることで経営者の方たちの役に立つものなので、もっと一般化していけるようにしたいと思っています。具体的な件数の目標は、状況次第になってしまいますが、クラウド推進や営業などで担当しているお客様にも、未来会計のよさを併せて伝えながら、まずは「そういうものがあるのだ」という認識を持っていただけるきっかけを作れる人になりたいですね。

経営者の方1人、ないしはご家族で経営している会社さんもすごく多いですが、そういう方たちは未来会計をあまり知らない傾向にあるので、私が伝えて実際に並走させていただくことで、お客様の喜ぶ顔をたくさん見られたらなと思います。

Q.西澤さんの視点から見て、御社の未来会計は具体的にどのような経営者に提供したいサービスでしょうか?

一緒に業務をされる幹部の方に、ご自身の思いや目標を伝えたいという方におすすめしたいです。いろいろな経営者の方とお話するなかで、ご自身が掲げる目標や事業への思いが幹部の方になかなか伝わらない、幹部が育たないと悩まれる方も多いように感じます。

未来会計は、経営者の方が思い描く将来を会計に落とし込み、未来を考えてもらうサポートをするものです。そのため、経営者だけでなく、幹部の方とも一緒にお話をしながら経営計画を立てやすく、組織力を高めるツールとしても大きな役割を果たします。弊社ではそうした目的でご活用いただいている会社さんも多いので、似たようなお悩みを抱える経営者の方には、導入をご検討いただきたいですね。

Q.未来会計を自社の経営に取り入れようか迷われている方へ、メッセージをお願いします。

「頭のなかにある漠然とした思いを伝えられない」という経営者の方は少なくありません。また、何となくイメージしている計画を実行すると、どのような成果が得られるかがあまりわからないという方も、一定数いらっしゃいます。まずはイメージを形にするためにも、私たちにお声がけいただきたいと思います。

また、目標に到達するためには周囲のサポートも不可欠ですが、「経営者は孤独」だとよく言われます。従業員を巻き込んだ経営の実現や、「目標に対しての現状の振り返り」を客観的に行うことにも、未来会計をどんどんご活用いただければ幸いです。

世界情勢や身近な部分でも、日々状況が変わっていくなかで、経営者の方は不安やご苦労が本当にたくさんあると思います。些細なことでも「誰に相談してよいか」と悩まれているのであれば、私たちも一緒に悩ませていただきますので、お気軽にご相談ください。


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インタビューをした人
渡邉 駿介