• ホーム
  • 記事一覧
  • 20年間、担当先の「倒産ゼロへ」。赤字からのV字回復を実現する『未来会計』と、AI時代に選ばれる『問いかける力』――株式会社 横浜総合マネジメント 栃倉 恒敬
所長・代表

20年間、担当先の「倒産ゼロへ」。赤字からのV字回復を実現する『未来会計』と、AI時代に選ばれる『問いかける力』――株式会社 横浜総合マネジメント 栃倉 恒敬

アイキャッチ画像

目次

神奈川県横浜市で、未来会計の専任部門としてサービスを提供する、「株式会社横浜総合マネジメント」。代表の栃倉氏は大手食品メーカーでの営業職などを経て、2003年に税務の世界に飛び込みました。その後、長年未来会計に携わり、プレイヤーとしてはもちろん、講師などの次世代の育成に向けた取り組みにも尽力しています。サービスの魅力や重要性を、未来会計を知り尽くした人物ならではの視点で語ります。

株式会社 横浜総合マネジメント
代表取締役
栃倉 恒敬
大学卒業後、大手食品会社にて製造から物流、企画、営業までを経験。
28歳で財務会計知識の習得を目指し泉会計事務所(税理士法人横浜総合事務所)に入社。
2008年㈱横浜総合マネジメントを社内起業にて設立。
中小企業の成長、発展を支援するため経営計画の立案、運用を中心とする未来会計に従事し、 2021年より代表取締役に就任。
新規事業立ち上げと、実家の家業を自ら事業承継したリアルな 経験を活かし、お客様に寄り添う伴走型のコンサルティングを得意としています。

家業がきっかけで、食品業界から会計の世界へ

Q.所属されている会社のご紹介をお願いします。

株式会社横浜総合マネジメントは、未来会計の専担部門です。35年以上横浜・関内にある税理士法人横浜総合事務所のグループ会社という立ち位置になります。

税理士事務所は現在二代目の山本が事業承継をしており、「未来会計を事務所の軸にしていこう」という方針で日々業務を行っています。私だけでなく、兼任の未来会計担当者も5名ほど所属し、お客様の経営をサポートしています。

社内で未来会計を実践する様子

社内で未来会計を実践される様子

Q.税務や経理の世界に入った理由をお聞かせいただけますか。

実家が自営業だったことから、「財務周りを知りたい」と思ったのがスタートです。もともと食品製造の会社に勤めていて、営業を担当していました。そのため、「ものを作って売る」ということを5年くらい経験するなかで、商売の原則は理解できました。

しかし、財務に関することはわからなかったため、「学ぶべきかな」と思い税理士を目指しました。税理士試験を受けながら、2003年に横浜総合事務所に入りました。入社当初は税法の分野で活躍したいと考えていました。3年くらいは、主に中小企業から上場企業まで、幅広いお客様の税務監査を担当していました。

自らの「得意」を生かし、未来会計の推進に貢献

Q.「未来会計をやっていこう」と思ったきっかけを教えてください。

お客様と関わる中で、経営戦略、マーケティング、ファイナンス、組織戦略といった「ヒト・モノ・カネ」に関連する企業経営に必要な知識を身につけ、中小企業の経営に関わりたいと思ったのが最大のきっかけですね。ちょうどその頃、安心経営をサポートする会を通じて、「未来会計」と呼ばれるサービスに出会いました。

前職の経験値も含め、自分には税務よりも未来会計のほうが向いていると感じたままに、直感で未来会計の道に進むことを決めました。当時、事務所の創業者の泉がMAP経営の経営シミュレーションシステム(以下MAPシステム)を導入し、未来会計を推進していました。

しかし泉以外には、税務顧問を担当しながらでは、様々な理由で取り組める人材がいなかったため、なかなか提供できていない状況にありました。そこで組織全体の最適を考え、MAS専門の会社を立ち上げ、推進することを決めるに至りました。

当時、未来会計の学びは私ともう一名のメンバーとでよく一緒に参加していました。スタート当初は2名体制で始めたのですが、1年したころ、もう一人のメンバーが一般企業への転職をしたことで、横浜総合マネジメントの代表を務めることになりました。新規事業立ち上げには、組織体制の構築が本当の課題であることを、実感した経験です。計画通りにいかないからこそ、未来会計が経営には必要なんです。

Q.未来会計が経営に必要と実感されたのですね!どのような点が「未来会計が経営に必要」と感じましたか?

あるべき未来にむかって、意思決定をすることが経営の本質であるところですね。税務はどちらかと言えば、1つの答えを追求していくような業務だと思います。

反対に、未来会計は「答えを出す」こと以上に、不確定要素のある未来を「先読みし、行動する力」が求められます。自分は物事を突き詰めるよりも、幅広く見ていくようなことが向いているので、未来会計でお客様と共に、成果が出せるのではと思いました。

Q.なるほど!「未来会計」を知り、どのような取り組みからスタートしたのでしょうか。

はじめはお客様に提供する前にMAPの操作を覚えることから始めました。今でも覚えているのですが、未来会計の師匠でもある長崎の岩永經世先生にお会いするたびに「MAPシステムを徹底的に操作できるようになりなさい」「100%使えるようになったときには、お客様の経営が少し見えてきているはずだよ」と言っていただきました。

その言葉を信じて、MAPシステムを使うなかでいろいろな知識を得られました。それが最も大きな学びでしたので、当時の高山社長をはじめ、MAP経営さんには大変お世話になったなと思います。

Q.そう言っていただけて弊社も嬉しいです。(照)MAPシステムを覚える過程で得た、最大の学びは何でしたか?

MAPシステムから出力される資料をきちんと作りこむことの重要性です。お客様が最も困っていることはお金の流れや、売上の分類などです。

売上の計画を立てる場合も、分類をした上で「どこを伸ばすか」を考えなければいけません。実際、MAPシステムを網羅した上で作った資料は、お客様の視点が変わるヒントになると感じています。


【事例紹介】累積赤字・融資困難な状況から役員会を再建し、V字回復へ

Q.「未来会計」を提供するなかで、印象的だったお客様のエピソードをお聞かせください。

未来会計として支援させていただいて、もう15年くらいになるお客様が印象的ですね。いろいろなトラブルで累積赤字が続き、このままだと倒産にもなりかねない状況のお客様でした。

銀行からも「もうこれ以上の融資はできない」と言われてしまい、そんな中「サポートをしてほしい」と依頼を受けました。その時、未来会計であれば今の社長の悩みを解消していける可能性がまだ十分あると考え、「未来会計をやりましょう」と提案させていただきました。

まずは会社の中身を分析することから始め、社長さんともとにかく会社のことや組織のことなど、沢山お話を伺いました。その中で、「現場の意見をあまり集約できていない」という大きな課題が見つかりました。その課題を一つ改善していくために、「現場の意見を集約させて、社長と意見交換ができる場を作ること」を狙って役員会を開いていただくことにしました。

社長と役員に毎月集まっていただき、私はMAPシステムで出せる帳票やデータを活用した報告を実施しました。その報告の中で見えてきた実績をもとに、「次にどういう行動をとるべきか」、「資金繰りはどうなっていくのか」などを、役員全員で共有し、考えられるようサポートをさせていただきました。

経営判断に必要な数字や行動プランの意思決定を社長と役員含めて行うことで、徐々にお客様の事業は改善に向かい、現在ではお客様の会社は健康に経営されるまでにV字回復されました。会社の数字が変わっただけでなく、事業の承継を見据えた会話も、会議の中で増えていきました。

感慨深いのは、会社が厳しかった時代に部長だった方が2025年、代表に就任され無事に事業承継のお手伝いもできたことです。会社が本当に厳しかった時代からご一緒していた方なので、歩みを共にできたこと非常に嬉しいですね。現在も、その企業さまには未来会計を通じたサポートをご提供しています。

Q.V字回復され、事業承継も無事にされたのですね。改めて当時を振り返ってどのように感じていらっしゃいますか?

信頼関係の構築がカギだったかなと思います。当時の社長は私よりも15歳も年齢が上の方で、サポートに入った当初は私の言葉もあまり届きませんでした。(笑)「君に何がわかる!」と思われても無理はありません。

それでも諦めずに、対話を重ねたり、時には国税局に2人で出向いて納税の段取りをしたりと、様々なサポートをさせていただきました。正直、厳しい言葉も沢山いただきましたが、昨年社長が退職された際には「未来会計をやってくれてよかった」と言ってくださったので、とても救われた気持ちになりました。少しずつ信頼関係を構築していった結果、ここまで来られた気がしています。

Q.うれしいお言葉に、大きな達成感も得られましたか?

そうですね。未来会計だからこそできるサービスをご提供できた気がします。もちろん、未来会計でできない領域もありますが、お客様と向き合う時間をきちんと取ることで、前に進んでいける部分は多くあると思います。

私は20年以上この仕事をしていますが、未来会計をやっていていわゆる「倒産」状態になったお客様は今のところいらっしゃいません。そうした成果を見ても、「未来会計を続けること」は重要だなと実感します。様々な経験のなかで、きちんとしたサービスを提供できていれば、結果が変わることがわかってきました。お客様の成果に喜びを感じられるのは、未来会計の面白みの1つかもしれませんね。

数字の専門家が「答え」を出すのではなく、あえて「問いかける」理由

Q.長年のご経験のなかで、未来会計を行う上で大切だと感じることはありますか?

お客様と向き合う時間

お客様と向き合う時間を大切にしています。弊社は「お客様のビジョンの実現」という理念のもとで、日々業務を遂行しています。そのため、自分も「いい会社になってほしい」「夢を叶えてほしい」と願う気持ちを持ってお客様に寄り添っています。

その中で「幸せのお裾分け」をいただけることは、この仕事のやりがいであり、楽しい部分だと思います。


私に足りない部分を理解した上で、お客様に寄り添い・問いかける

我々は数字の専門家ではありますが、経営の専門家ではありません。また、未来会計自体が会社の将来についての答えを持っているわけではないので、私たちはあくまでも問いかけることしかできないと思います。

しかし、異なる目線での問いかけは、お客様にとって価値あるものです。長年未来会計をやってきて、その問いかけこそお客様に必要なものだと感じています。わからないこと、知らないことを突き詰めていくと、探求心はなくなりませんね。こういったことを大切にしながら日々お客様と関わっていくと、お客様を通じて学ぶことも多くあります。

未来は予測できないものですから、「教える側」だけでなく「教えられる側」の感覚も、常に持ち続けないといけないかなと思っています。

AI時代だからこそ価値が高まる、経営者との「対話」と「夢の共有」

Q.栃倉さんが思う、過去の集計(過去会計)と、不確定な未来を先読みする「未来会計」の違い とは?

未来会計には、AIにはできない領域があると思っています。「過去会計」はもちろん重要で、未来を考える上でのベースになります。しかし、これからの時代、たとえばデータをまとめることはAIのほうが合理的にやっていくと思います。

しかし、経営者に寄り添って対話をして、「どういう会社にしたいのか」などの先々の未来や夢を語り合うことは、AIにはできません。その領域を担うのが未来会計なのではないでしょうか。

現在は、「未来会計を事務所全体、そして業界全体でどのように推進していくか」ということを、皆で考えていく時期にあるのかなと思っています。私も「ベテラン」と呼ばれる領域になってきていますから、次の世代に引き継いでいけるようなサポートをしていきたいですね。

【経営者へのメッセージ】中小企業が成長し続けるために未来会計が「絶対に必要」

Q.中小企業の経営者に向けて、メッセージをお願いします。

未来会計は、中小企業がこれから成長していくために必要なツールだと思うので、多くのお客様に使っていただきたいです。

私は、中小企業が成長し、生き残っていくためには未来会計が絶対に必要だと思います。ですからいろいろなところに広まっていってほしいですし、私自身も金融機関との連携を通じて広めていきたいです。

また、国内企業の99.7%、大半は中小企業だといわれています。未来会計で中小企業を支援する「未来会計プランナー」も、さらに増えていくことを願っています。


プロフィール画像
インタビューをした人
黒島