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所長・代表

「経営を継栄に・成功を成幸に」業界の前線から学生に伝えたい、会計という仕事のやりがい

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目次

岩田会計事務所
岩田 英人

独立間もなくMAPシステムを導入、未来会計・理念経営業務を開始。現在は中部地方の青年経営者研修塾で理念経営ゼミ開講、同団体で教育委員会アドバイザーとして経営計画や経営理念講義を担当、また、あんしん経営をサポートする会副会長、京大EMBA1期生《メンター》として活動しつつ、愛知学院大学商学部、岐阜大学社会システム経営学環及び社会システム経営学院《大学院》で講義を担当しながら「全ての中小企業に未来会計を」のビジョン達成に邁進。社是『経営を継栄に・成功を成幸に』の具現化を目指して日々活動 している。

会計業界を目指すきっかけ

Q.岩田さんが会計業界を目指したきっかけを教えてください

商学部に所属をしていた大学3年生の時に、初めて会計士という職業と向き合う機会がありました。ゼミを選択するときに、当時興味を持った内容を研究しているゼミの先生が公認会計士受験者の指導をしており、周りは公認会計士を目指すような学生が多く募っていました。その影響もあり、はじめは公認会計士を目指そうとしていたんです。

ゼミに入る前の面談で、先生から「なぜ会計士を目指すのか?」と聞かれました。「企業経営に関わる人々に携わり、よい影響を与えられる人間になりたい」と21歳ながらにそんなことを私は語っていました。その先生は私のことばに真剣に向き合ってくれて、「企業を支える経営のサポートがしたいのなら、税理士がよいと思うよ」と新しい視点をくれたのが、税理士を目指すことにしたきっかけです。 

「そんなことを言ってくれる先生に出会えることもそうないかもしれない」と思い、公認会計士を目指す学生が所属する中、税理士資格の取得を目指してそのゼミに入らせてもらいました。

Q.「人によい影響を与えたい」という想いが強い学生さんだったのですね。様々な道がある中で士業の道を選ぶことになったきっかけがあったのですか?

実は、税理士を目指す前は、ジャーナリストになりたいと思っていました。高校生の頃、友人の相談を聞きながら、「相談してよかった」と喜んでもらえた経験がありました。それが嬉しくて、物事や相談の本質を捉えながら人に伝えていく職業に惹かれ、ジャーナリストになることを目指しました。その後も、ジャーナリズムを学べる東京の大学に進学しました。

方向性を変えようと思ったのは、授業の中や日常の会話の中で悔しさを経験したからでした。一般的に、ジャーナリズムの世界では「何を言ったかよりも、誰が言ったか」の方が重要視されます。報道番組に出るような有名なジャーナリストと同じことを私が授業で話をしても分かってもらえなくて、信用度が全く違うことを痛感しましたね。(笑)そのときの悔しさをばねに、影響力を持てる資格を取得しようと決意しました。

Q.未来会計はいつのタイミングで取り組もうと思われたのですか?

比較的早い段階で、私は未来会計に取り組もうと決めていました。大学を卒業して会計事務所に勤めてからも、税務で「今月はいくらで着地しましたね」と過去の数字を社長に報告することよりも、社長の経営に寄り添った未来の話をする方が私は楽しいと気づきました。社長も、未来のことを話している時の方が楽しそうだし口数が多いんですよね。

2年間の勤務時代を終えて、自分で開業した2年目の時に、MAP経営さんの経営計画のシミュレーションソフトを導入して未来会計に取り組む体制を整えました。




開業間もない頃に得た教訓

Q.「人に寄り添い、よい影響を与える」という志を体現されていますね。これまで出会った中で、印象に残る社長様はいらっしゃいますか?

開業して間もない頃は、志はありながらも、体現しきれていない時期もありました。そのことを痛感するきっかけになったのは、開業したばかりの頃に関わっていた社長様との出来事です。今でも教訓として強く覚えています。今となっては、その出来事があったおかげで、社長の経営に真摯に向き合う覚悟がより一層強くなったと思っています。

その社長とは、セカンドオピニオンとして関わっていたのですが、社長のお人柄もよく、顧問料が高かったため、開業間もない私からしたらありがたいお客様でした。しかし、ある日突然査察が入り、社長が逮捕されてしまったんですね。当時、私も国税庁に呼び出されました。

何があったか詳細にはお話しできませんが、その時、社長の動きに気づけなかった私の浅はかさや、その社長を止められなかった申し訳なさで、深く反省しました。その一件で、大きな売上を占めていたお客様を失い、事務所の経営も一時不安定になりましたが、その教訓から得たものも沢山ありました。

その一つとして、事業をする目的や理念、会社の方向性を一緒に考えられる未来会計により一層強く向き合うことを決めました。

Q.その教訓から「理念経営」を掲げる会計事務所としての在り方が強くなったのですね。

そうですね。こちら側のスタンスが変わると、出会う社長も変わることが分かりました。当時、お客様の増え方は減りましたが、「理念を大事にしていきたい」「もっと会社をよくしていきたい」という社長と出会えたことで今の事務所経営の礎が作られたと思っています。そういった仕事ができて本当に感謝しています。理念経営の大切さをもっと広めていきたいですね。

Q.それは嬉しいですね。岩田さんにとっての理念経営の魅力を教えていただけますか?

「何のためにやっているのか」「どこを目指しているのか」といった自分自身の原点を振り返り、理念を明確に打ち出すことのできる社長は、業績を伸ばしていく方が多いです。人の想いを聞いていると胸が熱くなることや共感をすることってありますよね。経営をする上で大切にしている理念を、仲間に伝え、応援団を募るのと同じで、協力してくれる人が増えるから事業が発展するのだと思います。

Q.そういうことですね!理念経営、とても大切だなと感じました。そういう時に、深掘りをアシストしてくれる存在が必要なのですね。なかなかお一人で気づくのは難しさがありますね。

社長お一人で気づける方もいらっしゃいますが、ご自身で気づいていない部分も必ず存在します。我々の存在意義として、その部分にフォーカスして気づきをさらに深くする存在でありたいですね。

社長と関わるときに意識していること

Q.岩田さんは事務所の代表でもありますが、社長と関わる未来会計プランナーとして、意識されていることはありますか?

改めて考えてみると、様々なことを意識していますが、大きく2つのことを意識していますね。一つが、「社長のお話しを最後まで聞き切ること」です。こちらに話してほしいという社長からのサインがある場合には、口をはさむこともありますが、基本的には最後まで聞く姿勢を大切にしています。

未来会計を提供していると、話が脱線気味であったり散漫であったりすることがあります。しかし、社長から「話したい」という意欲を感じる限りは、気が済むまで話してもらいます。

聞くことに集中するため、基本的にはメモも取りません。アイデアは生ものだと思うので、こちらがメモを取ることに集中してしまうとメモが書ききるのを待っている間に社長が話したいことを忘れてしまうこともあるので、その機会損失がないように意識しています。

Q.「話したい」と思ってもらうためにどんなことを意識されていますか?

これが未来会計プランナーとして意識している2つ目の「相手にとって良い質問をすること」ですね。

質問は、社長のスイッチを入れるようなものだと思っています。例えば、ゴルフが好きな社長であれば、ゴルフの話に積極的に触れるという感じです。社長のスイッチに触れる質問をすると、話す時の熱量や話し方のペース、また、目つきや表情などが明らかに変わるんですよ。そこから前向きな気持ちになっていただく場づくりをしています。

未来会計プランナーとして嬉しかったこと

Q.勉強になります!未来会計に取り組むなかで嬉しかったお話をお聞かせください。

社長からいただいたことばでは、「これまで気がついていなかったことに気づかせてもらった」と前向きな気持ちになっていただけたときは嬉しかったですね。

また、社長だけでなく社員さんも参加する場面でご支援をしていた時にも嬉しかったことがあります。未来会計では、社長だけでなく、その会社の幹部や社員の方と関わる機会があります。会議の中で、お互いが真剣だからこそ、社長と社員さんの間で意見がぶつかることも少なくありません。そんな時は、未来会計プランナーとして、意思疎通が円滑になる支援に回るようにしています。やり取りを進める中で、「社長の考えがわかった」「社員の考えがわかった」と双方の理解が深まると非常に嬉しいですね。

税理士として、事務所の代表として、未来会計プランナーとしてのこれから

Q.これからの目標を教えていただいてもよろしいでしょうか。

企業にも、この業界にいる方にも、未来を担う学生さんにも、未来会計をもっと広めたいです。実は会計業界の仕事、特に未来会計は、答えも無く、楽しくやりがいのある仕事であり、どんな社長からも感謝されて世の中の役にも立っているのに、「子どものなりたい職業ランキング」のベストテンにランクインしたことがないんです!

まずは、「会計業界っていいな」と思ってもらえるように、同じ志を持つ先生方と仲間になってこれからの話を進めているところです。

また、私の教訓にもなった経験から、未来会計を通じて犯罪を減らしたいという目標があります。犯罪を起こす方の多くは、仕事を失い、お金に困っている方が大半です。未来会計を通じて中小企業を元気にすると、こうした人を減らせるかもしれないと思っています。

世の中に少しでもよい影響を与えたい思いで、これからも未来会計に取り組んでまいります。

岩田さんから学生の皆さんへ

Q.最後に会計業界を志す学生さんへメッセージをお願いいたします

今の学生の皆さんの動きが世の中に少なからず影響を与えていきます。これから、社会や会社に所属して経済活動を動かす存在として様々な影響力を発揮していくことでしょう。その経済活動を支えている一つとして会計業界があるということもぜひ知っていただきたいです。

自分も支える側になりたいなと思う方にはぜひこの業界にも興味を持って就職活動をしていただけると嬉しいですね。

会計業界は世の中の経営・経済を支える力強い存在です。間接的であったとしても、この業界の先輩として皆さんと一緒にお仕事ができることを楽しみにしています!


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インタビューをした人
黒島